片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

パレットに乗る絵の具

絵を描くとき一番使う色があった。私の場合は青系統がすぐに減る。小学生の時のお絵かき教室の先生はどの色もなるべく使うように描こうね、と教えてくれたけれども、どうしてもいつも出番の少ない色があり、古く硬くなってしまう。茶系統の色は苦手な色だった。バーミリオンという色も好きになれない脇役の色。無いと困る色だけれどね。主役の色はプルシアン、ターコイズ、ウルトラマリン。白も色々な種類の白があったように思い出される。もうずいぶん長いこと油絵など描いていない。私のパレットは忘却の彼方にある。

憧れていた画家はバルテュスというフランスの画家で、スイスに素晴らしいアトリエを持っていた。アトリエも作品の一部と言っていいのではないかと思うような、荘厳、静寂で、太陽光が画家のために柔らかな光線を照らしている。このアトリエでいくつの作品を一人で作成できたのだろう? 画家にとってはインスピレーションと瞑想のような作業をする道場だろう。置かれていた大きなパレットにはチューブから搾りたての沢山の色の絵の具が乗っていた。

バルテュス メトロポリタンだったろうか?

バルテュス氏は自分は職人である、と仰っていた。。ピウプより。