片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

明治生まれのおばあちゃん

施設にいる叔父を見舞うために母の郷里である茨城県結城市に行った。

ここまで来るのにいつも思いに耽るのは子供の頃のお祖母ちゃんの家に行くまでに乗った京浜東北線の電車の窓から見た景色。

田んぼや畑の中に住宅が点在していたような景色も、今はどこまでも住宅街が連なっている。

宇都宮の前の駅の小山駅までくればあと少しで母の実家だ。

以前は小山の水戸線水郡線のホームには昔郷愁をそそるような蕎麦屋があって、なぜかおばあちゃんに温かいお蕎麦を食べさせてもらった思い出がある。

あの頃の国鉄バリアフリーなど言葉さえなく、エレベーターもエスカレーターもない階段だらけのホーム移動だった。

電車に乗り、駅で乗り換えの移動だけでもお祖母ちゃんは消耗し尽してしまうのに孫たちにお蕎麦を食べさせて、着物姿で、風呂敷を幾つも持って。

もし時空を超えて今お祖母ちゃんにしたいことは美味しい鰻かお寿司を食べさせるために都心に連れ出したい。

そしてホームからエレベーターで移動しながら乗り換えて、ラクチンになったことを教えたい。

でも私にはおばあちゃんがえらい大変な思いをしてたどり着いた駅で食べた温かいお蕎麦をもう一度食べたい。

あの時の安心して味わったかつおだしが効いたお蕎麦はいずこ。ぴうぷより。