南フランスにセギュレという城壁のある小さな村に一か月ほど滞在したことがある。そこにはドイツから移住したオーナーがアトリエや工房を兼ねた宿を経営しており、大変よくして頂いた。
オーナーさんはアーティストを集めて、明るく優しく楽しく、クロッキー大会や宿泊客の交流など楽しいチョットしたイベントを設けてくれた。この宿に来るのはアーティストだけでなく、南フランスでのんびり太陽を浴びたいというだけのヨーロッパ各地からのバカンス目的の方もいる。
家族経営のお宿でオーナーの奥様は働き者。マダムはお料理が上手で毎晩のフルコースディナーを午後からせっせと準備始める。シンプルな葉っぱだけのサラダからはじまって、メインのお肉やらキャセロールやら、そしてチーズの盛り合わせはお食事の最後に好きなものを一つ、最後の最後はデザートが。赤ワインは水のように飲み放題。お客さん同士が全員一つの大テーブルに座って楽しく仲良く会話しながらのディナーは心に美味しかった。
マダムは朝一番で焼き立てのバケットを仕入れてきてくれる。そして朝ダイニングルームに行くとバスケットにチーズやヨーグルトそしてバケットが半分はいっており、名前の貼ってあるデキャンタのワイン。それが朝と昼のごはん。南フランスの親戚の家に滞在しているようなお宿。
古民家、というと日本の家屋をイメージしてしまうけれど、フランスの古民家を改造して洗練されたお宿。ピウプより。