片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

500年前のリネンのブラウス

プラスティック、現代人の消費癖が作り出してしまった問題だろう。供給する側である企業がストローを止めるとかレジ袋の有料化とかに励むだけで追いつかないのではなかろうか。旅で知り合ったドイツ人の女性はプラスティックが大嫌い。神経質なほどプラスティック製品を避けていた。確かにドイツはもう何十年も前からレジ袋はなく、自分の持ち帰りの手提げを忘れた人はきちんとした手提げを買わなければならない。レジ袋を買うことさえできなかった。環境に対するごみへの意識の高さは、意識が高いというより個人の国民皆が無意識にゴミを生み出さぬような慣習が身についているようだ。

件のドイツ人の女性から日本にヘルマン・ヘッセが本人の詩を朗読したテープを送ってきてくれた。私のヘッセ好きを思いやってくれて。丁寧に壊れないよう包まれた梱包材はプラスティックの緩衝材(プチプチ)であったが、いったい何べんつかったの!と思えるほど、古く繰り返し使用されたプチプチだったのだ。そうだ彼女はプラスティックは嫌いだが、それを安易にすぐにゴミにしてしまうのはそれこそ本末転倒と考えるのだろう。

ベラ、素敵な人だった。500年前のリネンのブラウスを着こなして黒髪で緑色の瞳だったような。南フランスで一緒にスケッチをした。ピウプより。