片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

生き続ける商店街

今私の血族で叔父さんと呼べるひとは一人、そして伯母さんと呼べる人は一人になった。両親各々、兄弟姉妹は5人~6人づつで、私の両親は二人とも末っ子なので順番では先に逝く人のほうが多い。兄弟姉妹で最後に残った叔父と伯母。昨日は伯母の家へ行った。彼女は90歳を超えて高齢であるが一人、自立して暮らしている。かつて私の実家もすぐそばにあったので子供時代の思い出が一番深いのはこの界隈。伯母の家まで商店街を通り抜ける。懐かしい街の面影や名残を留めている商店街。小学校の頃の友達は商店街で商売をする親を持つ人が多かったので、同級生の顔が浮かんでくる。魚屋さんの子、肉屋さんの子、お菓子屋さんの子、靴屋さんの子、洗濯屋さんの子、米屋さんの子、小売りの商売はもう成り立たず、後を継いで商売を続けている人もごく僅か。ほとんどの店は昔の商売を辞めて様変わりした店になっている。それでもともかく商店街は生き続けて、賑やかな通りのままである。伯母が存在する限り商店街を通り、思い出の場所を確認しながら歩くことができる。伯母が居なくなったらこの界隈には来ることもなくなってしまうだろう。

ノスタルジーに浸るには成熟した年齢が必要なのだということ。ピウプより。