片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

古式床しいイギリス

日の名残りというもう30年近く前の映画を観た。この映画は何度見ても味わうことのできる好きな映画。ジェームス・アイヴォリー監督は古式ゆかしいイギリスの情景や人物像を描くのに優れている。一度もイギリスに行ったことはないけれど彼の映画を見るとイギリスに行ってあの映画のような世界観に触れてみたくなる。

イギリスの文化に初めて触れたのは児童文学。小学生の頃読んだメアリーポピンズやクマのパディントンそしてシャーロック・ホームズのシリーズ。イギリス人というのは何とも取りすました、人を突き放したような冷たい物の言い方をする人達だなあ、というのが日本の小学生の第一印象。物語の面白さで子供心にもこれがイギリス人の一つの作法であり、礼儀でもあることが解るようになってきた。濃霧と雨の天候表現、傘は日常の必須アイテムであること、なるほど夏目漱石が留学中鬱状態で暮らしていたというムードがヒタと感じられる。原作者のカズオ・イシグロは10年前ノーベル文学賞を受賞した。原作の小説はまだ読んでいないので久しぶりに読んでみようと思う。

シャーロック・ホームズの相棒のワトソンさんが着ているケープ付きのコートと耳当てを上げたり下げたりできる不思議な帽子とパイプのコーディネートが素敵!ピウプより。