片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

時代と空間を乗り越える追っかけ。

あれは何年、いや何十年前であったろうか。。。友人と共にウイーンへ、やっぱモーツァルトでしょ、というわけで楽友協会の黄金の間でオーケストラを聴きにいくことにしたあの日。

若い日本人女性一人、その人はとにかく興奮してホール近くの広場で写真を激写しまくっていた。私たちを見つけるとモーツァルト像とのでツーショットを撮ってほしいと頼んできた。色んなアングルで。

200年も前の人物にアイドル並みのハッチャケぶりに圧倒される。明らかにモーツアルトの追っかけなのだ。モーツアルトに対する思い入れの迫力を感じた。その夜コンサートホールでドレスアップした彼女を再び見て私は時代を遡っても追っかけを貫く根性とあの情熱につくづく感心してしまった。

マイラーという有名人の墓参り趣向を持つ人たちもいるけれど、彼女の場合はまるで今此処に存在するが如くモーツアルトの存在に熱狂しているのだった。また彼女に会えるだろうか? モーツァルトの追っかけは続けているだろう。

お名前も聞かずじまいだったあなたに会ってもっとモーツアルトについてお話ししてみたいな。

 ピウプより。