片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

空き屋のミカン

桜はある日一揆に散ってすぐに新鮮な緑の葉をつけ始め、見事な早変わりを見るように新緑がスタートを切る。

今年は花見に満開の三日間を通った。

名もない名所を住宅街の中に見つけて宴会こそできないが、今年も毎年のように咲く桜にエールを送る。

ご近所さん達と思い立ってささやかな花見の散歩に行きがてら、空き家の庭の木にたわわに夏みかんが実っているのに気づく。

懐かしいミカンの木のマーマレードを作りたいと空き家の主が言う。

その方より私は頑健なので高い脚立によじ登り大量のミカンを採取する。

住宅街のなか日当たりのよいところにミカンは豊作の状態のまま忘れ去られていた。

みかん達が取ってと言わんばかりにビッシリとなっているのでしゃにむに、後先考えず取ってしまった。

夏みかんの重いこと重いこと10キロぐらい取っただろうか?

家に帰って新鮮なミカンの皮をむくと目の覚めるような香りとギッシリと詰まった果肉が輝いている。

種を除いた果肉を大盤振る舞いにミキサーに入れてタップリフレッシュジュースを作ってゴクゴク飲む。

レモンより酸味はなくて目の覚めるような美味しさ。

 

もう初夏は目と鼻の先。ピウプより。