片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

感動貯蓄

年齢によって最適な経験、旬の時期の経験というのがある。10代20代は経験したい事が山ほど有り、好奇心も旺盛で、体力も気力も存分にある。モスキート音が聞こえるのもその感性の感度の高さだろう。そしてそのタイミングだからこそ感じられる感性というものが貴重な時間だ。その頃影響を受けた美術や本や舞台パフォーマンスが、今で深く印象に残っている。最近の私は最近の小説というものに興味が持てない。それは感度が弱まり簡単には感動できなくなっているからかもしれない。年を取っていくうちに合理性や実利性を優先させて、感性というものを後回しにしてしまう癖がついて、感動が蔑ろになっている。若い頃感動し、夢中になった本をもう一度読み返したり、昔の映画を観直したりすると、今また味わいが変わり、受け止め方が変わり、感動が深まってくる。どれだけ新鮮な瑞々しい感性を持った時代に本を読み、映画を見て、芸術作品に感動し、沢山の人との出会いや旅があれば、年を取った時の為の感動貯蓄になることを知った。

感覚を鋭くするには自然の中に身を置くと良いようだ。シンプルな生き物に戻ってやり直す。ピウプより。