片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

脳について 奇跡の脳

脳に興味を持ち始めたきっかけは母が小脳血管芽腫という

ポリープが出来て手術したことから。

もうかれこれ30年前の出来事なので、今と比べるとMRIもCTの

設備は都内の大病院でも希少で、撮影データもフィルムであった。

初めての脳外科開頭手術で不安でもあり緊張していたのを覚えて

いる。

 

そんなことから自然と脳に関係する本を読んだり

脳外科の行う手術内容にも関心が湧いていた。

アメリカの女性の脳外科医であるジルボルト・テイラー博士の

奇跡の脳 を読んだときは脳の働きの不思議に引き込まれた。

 

彼女は突然脳卒中に襲われ、家でひとり自分の脳が刻一刻、

壊れていくのを自己診察しながら辛うじて電話でSOSを送る、

というパニック状況が話の発端。

彼女が脳外の医者であるからこそ自己の脳内の危機的状況を

察知し、出血が左脳で起きていることもすぐに判断できたのだ。

電話の数字の観念が理解できなくなってゆき、ノートの電話番号の

数字の形を電話の数字の形を合わせ見て電話をかけ、言葉も出ず

うめき声だけのSOSであった。

 

一命を取り留めてその後の出来事は長く辛抱強い訓練と学習で

奇跡的な脳の回復をしてゆく。

脳外科的知識と自分の脳のダメージを克服した患者の体験、そして

そこで得た感覚的な知識をもとに執筆したのだ。

それは哲学的な気づきも含んでおり、クリエイティブな発想

と思考で脳の科学的な可能性の広がりを感じた。

 

本とはめぐり逢いとタイミングなのだろうけれど、無意識の脳

の働きが自分の読みたいと思う本を見つけてしまうのでしょう。

あなたには私が面白がって読むだろうと考えて選んでくれていた本ばかり、

沢山借してもらった。

今はどんな本を読んでいるの?

また本を紹介してほしいな。ピウプより。