片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

まずは第一印象から少しづつ書くね。

一日、一週間、ひと月、何気なくお茶漬けのように砂時計のように、

サラサラっと簡単に時間が過ぎて行く。5月の季節何回味わったろうか。

 

あなたの存在に初めて気づいたのは学校が始まって1か月ぐらい経った頃

だったかな。

その時の記憶のあなたは目が大きくてバンビみたいなまつ毛のスキニーな

少女なのに、大阪のおばちゃんの着るようなアニマル柄、たしかタイガーの

どアップのトレーナーなんか着てたりしてプロファイルイングが全く

できなかったのを思い出すよ。

休み時間に授業の復習なんかしてて話しかける雰囲気じゃないし。

わたしも社交性の技術のない子供でもじもじしてばかりの新学期。

この学校は芸術系の高校で人知れず都会のなかにポツンと、まるで

山の分校のようにひっそりと佇んでいた。

わたしらは同じpainting科だったので必然的にお友達になれたね。

先輩たちがエラク大人に見えて、まるでやさぐれ先生なのか、はたまた

どこかのコミューンで暮らしていそうなヒッピーみたいな上級生。

中学生の時の学校という概念・様子は程遠く未知に満ちていた。

でもあなたはどこへ行ってもスーッと馴染んじゃって溶け込んじゃって

ウッデイアレンの映画カメレオンマンみたいだったね。

武士だったら懐に入るのが上手いって言うんですかね。

ほんと恥ずかしながら私はもじもじと後ろについていくばかりで助かった。

その時も5月の爽やかな空気と風が教室のカーテンを揺らしてたよ。

また少しずつ書くね。 ピウプより