片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

先輩たちの展覧会。

先日、高校時代の一学年上の先輩の展覧会に行ってきた。

都立芸術高校、もう10年ぐらい前に廃校になってしまった、幻のような、山の分校のような、高校。一学年美術科と音楽科の2クラス、クラス40名ほど、一学年80名ほど。全校で240名ほど。小さくて贅沢な高校。

その生徒数の割に教師の数は多いので恵まれた教育を受けることができた。三年間同じクラス、同じ科で過ごすので、学年が違っていても、会話も付き合いがなくても、なんとなく顔を覚えてしまう。3年間同じ教師に習い、学ぶ。3年間の人口密度の高い空間では全校生徒、特に美術科は共有している情報量が普通校とは比べ物にならないくらい多い。

皆、目的意識の高い人、美術の道、音楽の道を目指すことを決意して入学しているのでまずいじめだの同調圧力だのというおぞましいことは起きなかった。競争心、ライバル意識はあれど。

もう卒業から何十年も経ってみな色々な道を紆余曲折したろうと思うのだか、何故か芸術高校の卒業生は、不思議と芸高基準を忘れずに生きている。あの濃密な3年間で三つ子の魂も何とやらということなのだろう。それほどユニークでタフな高校だったから。

ポール・セザンヌ

あなたに会えたのもこの学校のご縁。いつでもいいから尋ねてね。ドアはいつでも開いてる。 ピウプより。