片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

余裕と笑顔

余裕という言葉を考える余裕がなかった期間があった。

ある年齢に差し掛かり気が付くと時間的にも精神的にもそして経済的にも目一杯になっていて毎日が皿回しで皿が落ちないように冷や冷やしながらやり過ごす。

今思うとあの時どうやって毎日の綱渡りを過ごしていたのだろうと不思議に思う。

確かに余裕があれば視野が広くなり気づきも多くなるし、他者への思いやりも時間を使うことができる。

あの頃は仏頂面の表情がノーマルで他者には申し訳程度の笑顔を絞り出すのがせいぜいであった。

ショウウィンドウや電車の窓に時折映る自分の顔と目があうと気持ちが益々萎えていた。

ブスとか美人とかいう前にこんな渋顔を何とかしないと誰も手を貸すどころか声さえかけてくれまい。

時間の余裕は心の潤いだし、営業スマイルではなく地顔の笑顔であれば誰もが快い気持ちで寄ってくるスペースができる。

ヨガのレッスンでは表情を柔らかくしてと何度もクラスへの声掛けがある。

一生懸命に頑張りすぎると連動して顔も固く強張るのだろう。

心に余裕を。

和顔施、穏やかで心が和むような笑顔、笑っているかいないのか分からないような。ピウプより。