片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

会うことのなかった人との別れ

チャリング・クロス街84番地という映画を観た。

いつまでも心に残る映画、上質な人間の感性をしみじみと味わえる映画は このような作品だと思う。

1986年制作の映画作品と偶然の巡り合わせで観ることができた。

ストーリーはニューヨークの小説家(アン・バンクロフト)と英国の古書店員(アンソニー・ホプキンズ)の往復書簡。

きっかけは小説家が英国古書店への本の注文書から始まって、やり取りを重ねるにつれて相手の人物像 身の回りの小さな苦境が理解できるようになり、本が届くのも、本の注文を貰うのもお互いの大切な楽しみになってくる。

20年文通を続けるなかで、世の中や身の回りが少しづつ変化していく。

その書簡のやり取りが温かく、ユーモアが創造的で切実で手紙の表現力が秀逸すぎる。

 

その心の広がりと繋がりを二人の俳優の魅力ある演技と演出が磨き上げて、感動させてくれる。

二人は結局会うことは出来なかった。

それでもこの文通という時差のあるコミュニケーションが瑞々しいほど新鮮で、この二人の俳優のキャスティングがなければ映画作品は地味に埋もれてしまい、このような素晴らしい世界観を作り上げることは難しかっただろう。

俳優二人が同じ空間で演技することはない。

それでも彼等の手紙はまるでお互いのすぐとなりで語りかけているような。

 

原作の小説も早速読んでみよう。ピウプより。