片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

悪の仙人、ルトガー・ハウアー

何気なくTVの電源を入れたらヒッチャーという昔の映画が放映されていた。この映画は好きな映画。映画作品のキャスティングが役のイメージ枠にはまって俳優自身の存在が物語のイマジネーションを掻き立てるような配役。ルトガー・ハウアーは想像を絶するストーカーを演じさせれば唯一無二の俳優。ブレード・ランナーの時もそうであったが逃亡者の身でありながら、逆に体制側を追い、強迫してくるような役だった。彼の肉体は脆弱さはまったくなく、人間凶器でありながらも、哲学的で詩的なセリフがアンバランスの美しさ。相手をギリギリまで追い込んで痛めつけておきながら、その敵対する相手に自分の死を強要するというウルトラZ級の心理劇も彼じゃないと成り立たない。そんな複雑でサイコな悪のヒーローを演じる怪演力もさることながら俳優のキャラクターから匂いたつような魅力が強烈すぎて、ほかの映画で、牧歌的な善人の役なんかを演じていたら、えらくチグハグなダイコンさんになってしまった。。俳優さんも自分に合った適材適所でないと難しい商売だ。

ヒッチャールトガー・ハウアーみたいな人にマークされたくないが、もしそんなストーカーに遭遇したときに狂気かつ冷静に対応するしかないという映画。ピウプより。