片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

年の功

千里の道も一歩より、とか、ローマは一日にして成らず、なーんて昔の人は言っていた。

それでも未熟で凡庸な私はそれが実感としてよく解らなかった。

早く、早く!と思った。

早く結果を出したい、早く手に入れたい、早く完成させたいと。

よくある若気の至り、そんな凡人のすごろくを歩んでいた。

ところですごろくって通じる人はどこまでの世代なのかしら?

だんだん私の言葉は奥ゆかしい部類かと思うことが増えた。

 

今思えばどうしてそんなに急いでいたのだろうか、と思う。

急いで手に入ったものはすぐ失うし、急ぐほど良い結果など遠くなる、急いで完成させたものは壊れやすい。

エネルギーを持て余していたのだろうと思う。

もっとじっくり取り組む、研究する、コツコツ失敗を重ねるなどなど、地道に粘って積み上げることのほうが盤石なのだ。

目の前に見えるものだけではなく、もっと遠く離れて見てみたり、別の角度から見てみたりパースペクティブな考え方が出来なかったのだ。

藤井聡太さんのように小さなころから一つ一つ丁寧に考え、試行錯誤を繰り返して積み上げていければ若くても老練なプロフェッショナルになれる。

 

私の場合、年を取って良かったと思うことは若い時の阿保な自分を振り返ってすこしばかり優越感に浸ること。

 



年の功ってあったんだね。ピウプより。