風が吹けば飛んでいく零細企業の経営していたとき、社員・バイト・パートと何百人と採用面接をしてきたけれど、不採用を伝えるのはいつも悩ましかった。
人材は欲しいけれど、60%~70%ぐらいは見込み担保が無ければ後々苦労するのは判りきっているから、思い切って断らなければならない。
ある日、女装の男性、今ならLGBTというタイプの人が面接に来た。
大変真面目な人できっと仕事も間違いないだろう、と思った。
ただ、見た目でゴッツイ男の体での女装が明らかで派遣先のお客さんに人を変えてほしいというクレームが出る確率が高い。
彼の為、いや彼女の為に私が派遣先に行って交渉するべきか、その前に私の会社が切られてしまう。
もっと発言力のある強い会社でなかったことが悔しかった。
彼女のような人はどんなところで働ければ幸せだろうか、今も不自由に働いているのだろうか。
世の中はLGBTという合言葉が、寛容であることのように広がっているけれど、まだまだ日常身の回りの人たちは見た目の違和感で遠回しに排除する。
それは何もできずフリーズしてしまった私も含めて。
彼女が働ける良い会社を見つけて働いていますように。
もしくはそんな自由な会社を起業していますように。ピウプより。