片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

ソングス・イン・ア・メロー・ムード

ジャズに詳しい訳でもなく、偶然流れたメロディーと歌手に惚れてしまってエラ・フィッツジェラルドにはまってしまった。昔々のアルバム、ピアノ伴奏とエラの歌声だけ。エラの圧倒的な声量と歌唱力はジャズシンガーとして殿堂の女王さまなのだけれど、ただその才能の中にブレンドされた、健康的で太陽のようなエネルギー、生命力のような圧倒的は朗らかさこれが表現の中の隅々まで行きわたってこれが最大の魅力。ジャズの私のイメージは哀愁、ブルースなど泣きの入った感じや慰めのメロディーという印象が強かったのだが、彼女の歌い方は堂々と太陽の下を大手を振って歩くような力強さ。元気を奮い立たせてくれる。彼女は60年代の黒人女性孤児院出身で苦労だらけの身の上。そんな厳しいスタートラインから始まった人だけれど、歌とその逆境も跳ねのけるくらい、あふれる朗らかさと才能でブレイクスルーしていった人。その彼女のストーリーも元気にさせてくれる。



彼女の即興の、人間楽器みたいなスキャットは唯一無二の職人芸。何度聞いても心躍るようなメロディ。ピウプより。