片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

ウイリアムズ・バーグ

ニューヨーク、ブルックリンのウイリアムズ・バーグ・ブリッジを背景にワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカという映画が始まる。この地域に住んだことのあるひとなら、この橋のブルックリン側からの一景は、東京に住む人が東京タワーを目の前に見るときの感じ、もしくは日本人が富士山を目の前にしたときの何とも言えないあの感じ。胸のすくような、清々しいような。この辺りはイーストリバーからの荷揚げ、船着き場でそもそも倉庫やら工場だったの建物が多く、90年代ぐらいまではマンハッタンより安く広いスタジオが借りられるのでアーテイストがアトリエや住居にするエリアだった。あの映画では1930年代のウイリアムズバーグだが、現在もその雰囲気はさほど変わらないように見える。石造りの100年以上使い続けているようなアパートや沢山の荷物を運ぶための巨大エレベーターのある倉庫はそのまま。住宅街には通り沿いに、そんなアパート群、そして古い石畳の道がまだ残っている。内装は近代的に洗練されているだろうけれど外側は古いデザインがそのまま生かされている。ウイリアムズバーグはユダヤ人の集まる街。黒いロングフロックコートに山高帽そして、もみ上げは縦ロールの黒髪がきれいに垂れている。アーティストとユダヤ人の街。今は昔。

私はもう少しそこから北上したグリーン・ポイントというポーランドの移民の街に暮らした。お肉屋さんと工場の街だったけれど今はハイ・ブランドも立ち並ぶようになったと聞く。ピウプより。