片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

G線上のスケッチ

ブルックリンのグリーンポイントというところに住んでいたことがある。ポーランドの移民が多く、駅の周りはちょっとしたポーリッシュの商店街。ポーランド語が町にあふれている。

大きな肉屋には肉の塊や、バラエティーに富んだソーセージ、ハムやパティお惣菜もロールキャベツやら、ラビオリみたいな餃子やらが美味しそうに並んでいる。近くのグロサリー(雑貨屋)には多種のパンやスライスしたハムやチースが並べてあり、ぶっきら棒なサンドイッチを作ってくれる。ポーランドのおばちゃんがこじんまりとした定食屋を開いていて、ポークチョップとマッシュポテトにグレービーみたいなワンプレートを出している。ピッチャーに入ったお冷にはリンゴの皮が浸っておりピンク色の水をコップに注いでくれる。その商店街の中にチャイニーズの持ち帰り専用店舗やら、韓国人のランドリー店やら、タイ料理の洒落たカフェがぽつりぽつりと点在している。

生活感あふれて安心感のある下町の暮らし。あれは30年近くも前のことなので、今は一体どうなっているだろうか?NYは地価の高騰に次ぐ高等、高インフレであの地域もおしゃれな投資物件ばかりになっていると風の噂で聞く。あの大きなお肉屋さんはまだロールキャベツを提供しているだろうか?

午後になるとランドリーショップの近くを眠たくなるようなオルゴール音が響く。これはアイスクリームを売る車の街宣。子供たちがあつまってくるあの風景。ピウプより。