銀ブラという言葉はまだ有効だろうか?
10年ぶりぐらいの久しぶりで銀座を歩く。
鳩居堂、和光、三越などは変わらぬ風情だが、取り巻く町並みはいつの間にか時につれて違ったイメージに変化していた。
小さな間口の老舗風の個人店はこの場所で事業を継承していくには限界がある。
地代に合った有名高級ブランドが目抜き通りを埋めている。
路地に入ると魅力的な小さな飲食店が点在していて、丁度ランチタイムであったせいか観光客やお勤めの人たちが列をなしていた。
小学生のころ父が初めて連れてきてくれた、伊東屋という老舗の高級文具店がまだあって、思い出がフラッシュバックする。
父と一緒に行けば何か一つ二つぐらい買って貰えるのが嬉しくて。
新しいノートや鉛筆や、輸入のカードやシール、便利なクリップ、デザインの洗練された筆箱などなど、文房具店で観るだけのワクワクショッピングをするのは昔から好きだった。
日曜日には銀座に行って高級品に触れたり、デザインに驚いたりするのが楽しくて銀ブラをしたものだ。
三愛がすっぽり無くなってしまった。少女達の好きな小物が沢山あったガラス張りの円柱型のビルが。ピウプより。