片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

ちいさいおうち

渋谷駅は絶えず変貌を続けている。

ほぼ物心ついたころからデパートへ買い物といえば渋谷の東急百貨店だった。

あの頃は東横線ターミナル駅で改札を出てすぐ東急百貨直行できた。

母と一緒にデパートに行くのは何か買ってもらえるからではなく、電車移動のお出かけが楽しく動く外の景色が飽きなかった。

今やその渋谷駅の東急百貨店は解体工事の真っ最中。取り囲む古い商業ビルはどんどん建て替えられてニョキニョキ新しいビルになり、今は渋谷駅の本丸だけが取り残されている。

今日はバスに乗って目的地に行くことにした。渋谷駅のバスロータリー、モアイ像のある東急バス乗り場に出る。

モアイ像も前は待ち合わせの場所として人溜まりが出来ていたけど、今はひっそりと小さく縮こまって目立たなくなってしまった。

子供の頃読んだちいさいおうちという絵本を思い出す。

丘の上の素敵なおうちは時がたち、周りは開発され高層ビルに囲まれて、小さく埋もれてしまうのだけれど、そのまま新天地に移転されるというお話。

渋谷駅からバスに乗ると○○上というバス停が出てくる。渋谷、読んで字のごとく谷なのだとバス停名から感じる。ピウプより。