雨季の6月、小学生頃は通学路の住宅街を歩いて帰宅する。住宅街の一軒家のお庭にはアジサイが満開で葉っぱにカタツムリも乗っていて、絵になる構図を作っていた。日本の雨季にふさわしい花。
アスファルトの凹みに水たまりができて、少し晴れ上がるとその水たまりの油膜がシャボン玉風船の表面みたいに7色に輝いて子供ながら6月雨季の美しさを味わいながら下校したものだ。
今もアジサイの花は公園、や個人宅のお庭やお花屋さんにも見ることが多い。昔ながらのアジサイはもちろんのこと、バラエティーに富んだ種類のアジサイが溢れている。円錐型のアジサイの花、レースのように薄くてデリケートな白いアジサイ、カラフルな色合いの混合色であったり、それこそアジサイの百花繚乱。散歩をしていて色々なアジサイに出会う。
子供の頃のノスタルジアなアジサイは胸がキュンとする。なぜだろう?プルーストのようにある年齢に達すると埋もれていた感覚がある瞬間、鮮やかに蘇るからだろうか?