片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

パリ、テキサス

このところ映画や小説や今までに観た作品読んだ小説を再読再鑑賞している。昨日観たのはパリ・テキサスヴィム・ベンダース監督のもう40年近く前の映画だ。最初観たときの印象はライ・クーダーのギターの弾き方とテキサスの乾いた風の清々しい虚無感が美しくマッチしていて、いつか必ずテキサスの砂漠をドライブしてみたくなったのを覚えている。

あの頃のナターシャ・キンスキーは若く美しく、この作品の中では後半からのシーンで出演は衝撃的な輝きっぷり。美しい人は目を見張るような美しさでほんの少しの出演でも強い印象を残す。このストーリーはこの人ナターシャとこのテキサスの風通りのよい乾いた風景とライ・クーダーの独特のギター音が主旋律と言って良いかもしれない。

映像は言葉にできない空間と空気や匂いや、人間の矛盾した願望や欲望などそれを感性に響かせていくのかという抽象的な表現だろう。必ずしも誰もが共感を持てる物語でもなく、また物語は起承転に終わらず、人生が続く限り物語はずっと続いていく。

古い映画の鑑賞は若かったころ感じたこと、年齢を得て感じたところは全く違っていて同じ映画を観たように感じられないところを比較できて面白い。ピウプより。