大災害のパニック映画で、折しもお正月から不意打ちの災害があってこのような映画を観ると臨場感で、体も緊張してしまった。
災害時の映像はリアリティがあって恐ろしいものだったが、映画の主題としては災害後秩序の崩壊したマンション住人の群衆心理の恐ろしさだ。
ソウルが全面崩壊状態してしまう中、ほぼ唯一残った一棟のマンションの住民の物語だ。
都会の高層マンションでは住人の結束力は脆弱なので、なかなか意見が纏まらない。
確かにマンションの住人というのはその実態が把握できないし、また個人情報保護法というもので全く見ず知らずのまま隣同士で暮らしていても不思議ではない。
そんな現代の地域社会の淡い付き合いがこのような大災害で露骨に原始的な生存競争社会になっていってしまうのだ。
主役のイ・ビョンホンさんはいつどの映画ドラマを見ても安定の演技力。
今回は善良な一市民が狂気の独裁者になっていく演技。
ただ物語が最後尻すぼみになって消化不良なのが残念だったが。
韓国には下手な子役はいない。表現力の出力が当たり前のようにできるのが凄い。ピウプより。