ヴィム・ベンダース監督のパーフェクト・デイズを観にいった。
年末で仕事も終わりのせいか、平日の昼間にもかかわらず観客が80%位埋まっていた。
年齢層は50代~60代がほとんどだった。
主人公の公衆トイレの巡回清掃員を役所広司さんが演じた。
私が経営していた会社が清掃業であったので興味深かったし、正に主人公のようにこのシンプルな仕事と生活に満足している人が実在していた。
下層に見られる職業だけれど清掃は無くてはならない仕事だし、清掃作業は無心にできる健やかな仕事だ。
仕事ルーティンも仕事が終わった後の生活も毎日が同じルーティンで1日を終わる。
ささやかなライフワークや趣味のルーティンも1日のスケジュールに散りばめられている。
東京都内の公園の公衆トイレの設計デザインが何処も素晴らしく、こんなトイレがあったのか、とこの映画で初めて知った。
役所広司さんはこんなに起伏の少なく、セリフの少ない人物の存在感を持って演じられていた。
町の片隅で静かな思いやりを持って誰が知ることもなく淡々と満ち足りて生きる人。
同じ毎日が過ごせることに幸せを感じながら、その中の新しい発見に喜ぶ。ピウプより。