片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

お彼岸に

誰であったか、人は永遠に生きていくような錯覚をもって毎日を過ごしている、というような意味の内容を聞いたことがある。

誰にでも明日が来るのだが、生きて元気な時はまるでこの生活の営みが永遠に続くような、そしてがこの先どのように老いていくのか、そして死んでいくのかなど想像してみたこともなかった。

子供の頃から成人するまで一緒に暮らし、今まで一番長い付き合いをした両親の最後の老いと死をみてようやく自分にも最後の日が来ることに気づいた。

大切な人の死まで付き添えば、死にゆく人が自然に執着を手放してゆく姿を見て自分もこのような段階を経て死んでゆくのだということを想像する。

そう思ってみると家族で過ごした特徴のない平凡な一日一日の生活が満ち足りて平和で幸せだったことに気が付く。

まだまだ死ぬまでの時間はたっぷりあると私は思っているが、たぶん気が付いたときは、そんな時間もあっという間に飛んで行ってしまうものなのだろう。

だからケチらず奢らず大切な今日一日を味わおう。

 

暑さ寒さも彼岸まで、という言葉がある。昨日の真夏が今日秋になったような今日。ピウプより。