片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

物語を見つける旅⑦

ソウルに行くと大体朝ごはんは決まっている。

汁物の店で一品一択なのでただ席に着けば注文せずに自動的に持ってきてくれる。

プゴクという、干し鱈から作ったスープのお店に行く。

柔らかく煮込んだ干し鱈とかき卵と細切り豆腐、とても薄味なので塩味調節やアクセントにオキアミの塩辛やネギとごま油をあえた薬味、フレッシュなニラの唐辛子和えなど、が小皿についてくる。

キムチは取り放題で、小ぶりのステンレス蓋つきお椀にご飯がくる。

優しい味で朝のスタートにピッタリなボリューム感だ。

毎日は飽きてしまいそうだけれど、毎日頂けばコラーゲンタップリでお肌もピカピカになりそうな栄養食。

コムタンという牛骨スープも食べたくなる朝ごはん。

やはりあっさりとした透明スープで塩味はキムチやカクテキで調節する。

今回行ったお店は1930年代から続いているお店ということだった。

27年ぐらい前の昔のドラマ映画でコムタンというタイトルのお話を思い出す。

1930年代、貧しさに翻弄された女性が唯一自分の自信であるコムタンを作ることに希望を託して立派なお店を作り上げた、というお話である。

コムタン、牛の骨をただひたすら煮込むシンプルな料理であるが故、深いのかもしれない。

韓国料理は華やかなごちそうよりも、むしろ手間のかかるスープや常備食が地味なのだけれど美味しい。ピウプより。