片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

鳩ぐるま

先日、日経新聞の文化欄のコラムに民芸品の鳩ぐるまの写真があった。懐かしくなってコラムを読むと、88歳の女性で野沢温泉で鳩ぐるまを作り続けている方のお話だった。父がよく野沢温泉のスキー場へ冬休みに連れて行ってくれた思い出がよみがえってきた。もしかしたら、この女性はお世話になった民宿の奥様かもしれない。あの頃の野沢温泉スキー場はそんなに洗練もされておらず、ズンタッタ・スキー場と父は名付けていた。ズンタッタとは斜面がなだらかで雪質も重めの気楽な初心者も安心なスキー場。リフトなどはなくて、ロープが滑り降りる丘まで回転しており、それを手で掴んで水上スキーのように上っていく。それほど傾斜が緩いということ。あの頃は新幹線もなくて野沢温泉はとても遠かった。帰りにせがんで買ってもらった鳩ぐるま、植物のつるで編んだ鳩につるで編んだ車輪がついている。家に戻ってガラスケースに入れて眺めていた。また来年野沢温泉に行くのを確約したように。

多分あの鳩ぐるまはこのコラムのご婦人が作ってくれたものだろう。かあさん、あの鳩ぐるまは何処へいってしまったんでしょうね? ピウプより。