片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

古代への情熱

高校時代、美術史の授業で夏休みの課題でシュリーマンという人の古代への情熱という岩波文庫を読まなけければならなかった。

読まなければならなかった、というのは読んでいても未だ十代の子供が読むには経験も知識も足りず苦痛と我慢との修行だったから。

1800年代の考古学者(という分野が確立されていないようだったが)で実業家でもあり、トロイアの遺跡発掘で有名になった人らしかった。

この本は彼の自伝的な内容でまるで日経新聞私の履歴書に出てくるような実業家魂というものが溢れていたような内容であった。

高校生であった私には老人の自慢話のように思えて好感がまるで持てなく、特に言語に関して数十か国語もマスターしてまだ解読されていない古代の言葉でさえ判明できたんだ、エッヘン!みたいな人に思えた。

しかもその苦労話が微に入り細に渡りクドクドと続くので、このくらいしつこく拘るくらいでないと語学というものをそんなに早くマスター出来ないな、ということだけは感心したのを覚えている。

今の私ならシュリーマンの古代への情熱について理解できるだろうか?

 

シュリーマンさんは1860年ごろ日本旅行に来て八王子の絹織物店をご覧になった、という話を後から知って好感が持てた。ピウプより。