片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

古代への情熱

高校時代、美術史の授業で夏休みの課題でシュリーマンという人の古代への情熱という岩波文庫を読まなけければならなかった。 読まなければならなかった、というのは読んでいても未だ十代の子供が読むには経験も知識も足りず苦痛と我慢との修行だったから。 1…

浮世の味

昔の市井の日本人はお金はなくても無い無い尽くしのなか有り合わせの生活でも結構楽しく愉快にくらしていたのだな、と感じさせられる、太宰治の短編を読んだ。 貧の意地というタイトルの作品で江戸時代の駄目人間を書いている。 その日暮らしのお人よし浪人…

江戸弁ラップバトル

芥川龍之介作「鼠小僧治郎吉」という短編を読んだ。 ストーリー自体は特に際立った何かがあるのではなく、この短編小説での一番の面白さは江戸弁の掛け合い。 セリフの江戸弁に強烈な魅力があった。噺家が古典落語を語るような風情。 江戸弁のセリフの応酬が…

克服できない恐怖の洗脳

ジョージ・オーウェルの”1984"を1982年に読んだ。もし共産圏に住んでいたらこんなに強烈な監視社会になるのだろうか?未来はビックブラザーのような存在に独裁されてしまうのだろうか?拷問のような洗脳の矯正を繰り返されて、恐ろしくおぞましくリ…

秋の夜長に。

最近本を読んでいない。ネフリのドラマやドキュメンタリーばかり見てしまい、時間をただ浪費しているようにも感じる。本を夢中になって読めなくなってしまったのだろうか。昔はいろいろな本を読んで夢中になって感動していた。感受性も年齢とともに鈍感さを…

クリスマスまでに感動したい本

秋の夕暮れはさみしさが募る。悲しいことを思い出して悲観的になってしまったり、昔の思い出に浸ってしまったりそんな季節なのだろうか。もう11月に入って早くも年末モードの街。クリスマスツリーのディスプレイやイルミネーションが早々と飾られている。 こ…

小泉八雲の美しい恐怖。

小泉八雲の怪談の中にある、茶碗の中という話がとても好きだ。 小学3~4年生ぐらいのころ、夏のホラー映画に凝って、 何か怖いお話の本を買ってほしいと母にせがんだら、買ってきてくれた本。 私が期待していたホラーというにはほど遠かったが、古典的恐怖で…

既視感とノスタルジア

知らない町をあるいて、なんだか懐かしく、もしかしてここに来たことがあったかも、 と思うことがある。 初めて行く外国であっても、この場所はわたしの記憶のなかにある、と思えるような。 スヌーピーが有名になった、ピーナッツという漫画を子供の頃よく読…

脳について 奇跡の脳

脳に興味を持ち始めたきっかけは母が小脳血管芽腫という ポリープが出来て手術したことから。 もうかれこれ30年前の出来事なので、今と比べるとMRIもCTの 設備は都内の大病院でも希少で、撮影データもフィルムであった。 初めての脳外科開頭手術で不安でもあ…