アメリカは歴史の若い国と言われている。人間の営みによる歴史ではなく地上の地球の歴史を感じる場所がある。デスバレー（死の谷）はアメリカ最大の国立公園といわれている。灼熱の砂漠の地ではあるけれど、はるか彼方の地球の過去では海底であった場所であることを体感できる。アメリカのダイナミズムを体感するのはこのような最果ての究極の地だろう。この大自然に何も文化はない。宇宙と地球からの視点に立てそうなこの砂漠に一人砂粒のような存在なのだということを実感する。ちっぽけな自分のいら立ちやら悩みなんて全く価値のないくだらなすぎるものであることに気付かされる。
アメリカ人らしい明るく楽しいネーミングが愛らしい。アーティスト・パレット：いろいろな鉱物が酸化してカラフルな丘をつくっているまるでパレットの絵の具のように。デビルズゴルフコース：岩塩がボコボコに侵食されて荒地が果てしなく広がっている。この広いどこまでも広い空と果てのない土地と地平線にポツンと存在する自分がなにも束縛するもののない場所に溶け込んで気持ちがよい。
日本の狭いマンションの部屋でアメリカの国立公園に思いを馳せる。精神的肉体的な開放感がある。不思議な自然の力。ピウプより。
