月一回の坐禅に行く。
朝早く人気のない道をひとりトコトコあるく。
朝の空気は美味しく透き通っている。
お寺の門に坐禅をする人達がずんずん吸い込ま
れていく。
誰も無言で、堂内は背中を向けてすでに座って
いるひともいる。
決められた場所を歩いて決められた場所に座
る。
時間が来ると木版、そして鐘が鳴り坐禅の始ま
り始まり。
1烓目(いっちゅうめ=お線香1本分の時間)
はまだ余力がある。
終わりの合図でハッとする。足のしびれを確か
めて立つ。
整列して皆で半歩ずつゆっくりと歩く経行とい
う行いを静かに、次の合図まで。
そこで開放。
2烓目は警策(きょうさく=肩を叩く)が巡回
してくるので、励みになる。
隣の方が受けられているあたりで合掌、いった
ん肩に軽く当てて頂いたあと、
左の肩と頭を近づけると、本番の叩きがやって
くる。
同じように、坐禅終わりの合図にハッとする。
また経行を行い、解放。
3烓目が一番難しい。何も考えない何もしない
ことがこんなに辛くなってくるとは。
体がぐらつく、睡魔もやってくる、いろいろな
考えが浮かびあがって引っ込まない。
すると突然救いのような合図の鐘の音と木版を
叩く音が、鋭く清々しく響きわたる。
最後は般若心経を合唱して、お堂の今月の掛け
軸の解釈を頂き、和尚様のお言葉。
今月も脳内のおかたずけができてスッキリ広々
と考えることができそうだ。
人がたくさん集まっても誰一人口を開く人は
いない。
たまに初めての人でおしゃべりしてしまう女性
がいても、自然口をつむぐ。
喋らないことが気持ちよい空間。ピウプより。
一