片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

盗作画家に会った日。

むかし、盗作画家の展覧会に行ってきた。

もちろんその時は盗作された作品とは気づかずに。

その画家は権威もあり、知名度もあり、作品も高い価値を持っていた。

 

私はその画家の経歴や作品評価は知らず、友人に誘われていったのだか、

たまたまその画家が展覧会場に居り、会話する機会があった。

一緒に行った友人は美しく会話にも長け、魅力的な女性であったので

分かりやすい下心で近づいてきたその画家が、安っぽく、野暮な人に見え、

まあ作品の評価と作家の人柄の評価は別勘定なのだからな、、と独り言ちた。

 

作品は鮮やかな色合いの半具象+半抽象的な人物と室内のような、都会的なモチーフ

だったように思う。センスのよく、気持ちの良い作品であった。

 

それから半年ぐらい後、盗作が発覚し、週刊誌やニュースで大スキャンダル、

あの時見た作品と本物作家の作品と並べ比べられているではないか!

アッケに取られたような気分というのを初めて味わった。

 

丸パクリの作品にもあっけにとられたが、権威ある組織も見抜けなかったのは

盗作された被害者の画家の知名度が低かったからなのか?

それとも日本のアート界はのんきなのか?。

その画家の作品のファンも私の友人も相当落胆してしまったことだろう。

その盗作画家もその後どうしているのだろうか。。

 

アートの価値はどこで評価されるのか、複雑だ。

作品そのものの価値や人気度も重要だけれど、

どこの美術館のどの作品の隣に飾られたとか、だれが所蔵していたか、

作品の履歴も重要らしい。美とはかけ離れているような。ピウプより。