片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

アンネの誕生日に。少女の瑞々しさ。

今日は6月12日、アンネフランクさんの誕生日。

もし生きていたら93歳という年齢が思ったよりも身近な世代に感じる。

 

母が結婚前、ボーイフレンドにプレゼントされたという、アンネの日記が、

本棚にあり、字が読めるようになった小学生の頃から、

読んでは閉じ、また読んでは閉じを繰り返し、

中学生になる頃やっと読み終えただろうか?

 

始めのページには隠れ家の写真やら見取り図やら。

それを見ながらイマジネーションを膨らませた。

隠れ家に2年も3年も住み続けるプレッシャーはどれほどか、と思うが、

彼女の日記は生き生きとして、ユーモアがあり、辛辣でもあり、

大人の人間関係を良く観察している。

 

その数十年後、アムステルダムの隠れ家を訪れることができた。

本にあった写真の通り、本棚のトリックのあるドアを開けて階段を上る。

ここで数年籠って生活するのは異常事態だろう。

精神を保つのには外からの風が必要だ。

近くの教会から、鐘が随分長くなり続けていた。

 

彼女の日記帳は表装が赤いチェックのテキスタイル、ポップでガーリーなデザイン。

ノートの中身も日本の女子高生独特の書体にも似ている。

書くこと、が楽しくて、生き生きとした自分を保てるノートブックの空間。

 

先日アンネとほぼ同じ年の伯母にあい、戦争中であった少女時代の話を聞いた。

少女であった頃にすぐワープできるような語り口は、

戦争という時代であっても、それから長い月日を経ても、

少女時代のフレッシュな心境を持ち続けているのだ。

 

アンネはどう思うだろう?

本当は誰にも見せずにおこうと書いていた日記が

全世界のロングセラーになったことを。

 



そう、私も覚えているよ。

何でも楽しくて笑ったり、驚いて大げさに騒いだり、感動しっぱなし。

一体なんだったんだろう? あの頃の嵐のような感受性は。

ピウプより。